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WordPress の公式プラグインディレクトリのライセンスチェック厳格化の流れ

WordPress の公式プラグインディレクトリのライセンスチェック厳格化の流れ

WordPress.org の公式プラグインディレクトリのプラグインサポートチームは、公式プラグインディレクトリに登録しているプラグインのライセンスチェックの厳格化を進めているようだ。

拙作のプラグインに、Lightbox Gallery プラグインがあり、2008年4月に公開して以来、公式プラグインディレクトリで35万回ほどダウンロードされているが、この Lightbox Gallery プラグインで使用している JavaScript のライブラリのライセンスのおかげで何度もプラグインサポートチームとやり取りをすることになった。

このプラグインサポートチームとのやり取りを少し振り返ってみようと思う。

1回目のやり取り

プラグインサポートチームから初めて連絡を受けたのが、2010年7月のことだった。Lightbox Gallery プラグインで使用している、jQuery lightBox plugin のライセンスが GPL ではないために、Lightbox Gallery プラグインを公式ディレクトリに載せ続けることができなくなる、というものだった。プラグインがいきなり削除される、ということはなかった。

jQuery lightBox plugin のライセンスは、クリエイティブ・コモンズのライセンスで改変禁止というものだった。そこでプラグインの作者に連絡を取り、改変可能なライセンスに変更してもらうことができた。プラグインサポートチームにその旨伝え、Lightbox Gallery プラグインは公式ディレクトリに掲載され続けた。

2回目のやり取り

再びプラグインサポートチームから連絡を受けたのが、2012年2月だった。今回は、プラグインに GPL ではないコードがあるとして公式ディレクトリから削除したから、再掲載を希望する場合は、ライセンスを変更して知らせてね、という一方的な通知だった。

どのコードが問題なのか返事を返すと、HighSlide JS のライセンスが GPL ではない、というものだった。HighSlide を使いたい、というユーザーの声を反映してプラグインに含めるようにしていたが、この指摘を受けてプラグインに最初から含めるのは断念した。

HighSlide を削除した、という連絡をプラグインサポートチームにした際、少し文句を言ってやった。今までずっと掲載してきたプラグインを一方的に削除するのはひどいんじゃないか、と。プラグインサポートチームから返ってきた返答は以下のようなものだった。

「GPL ではないプラグインを掲載したままだと、GPL ではないコードのプラグインを申請してくるユーザーが、他のユーザーのプラグインは掲載されているじゃないか、といってくる。すぐに返事をくれるユーザーばかりではないし、プラグイン作者がいつ改善するかは分からない。だからとりあえず削除してから連絡しているんだ。」と。

WordPress.org の公式プラグインディレクトリのプラグイン数は、2万個近くあり、プラグインディレクトリを健全に保つには致し方がないな、と納得する答えだった。

3回目のやり取り

そして再び、2012年4月にプラグインサポートチームからプラグインを公式ディレクトリから削除した、と連絡を受けた。今回問題となったのは、jQuery lightBox plugin のライセンスが、GPL でも GPL互換 のライセンスでもない、というものだった。クリエイティブ・コモンズのライセンスは、改変可能であったとしても GPL互換のライセンスとしては認められていなかったからだった。

jQuery lightBox plugin の作者に再び連絡を取ったが、返事をもらえず、仕方なく、デフォルトのエフェクトを MITライセンスの ColorBox に変更し、再び公式ディレクトリに掲載してもらえるようになった。

GPL・・・。

Lightbox Gallery プラグインのライセンス問題をプラグインサポートチームとのやり取りで振り返ってみた。これからプラグインを作成し、公式プラグインディレクトリに掲載しようと考えている方の参考に少しでもなれば、と思う。

プラグイン制作者は、WordPress.org のプラグインガイドラインを読んでおくとよいだろう。実は、詳細版があるのでそっちを必ずチェックしておこう。

(簡易) http://wordpress.org/extend/plugins/about/
(詳細) http://wordpress.org/extend/plugins/about/guidelines/

プラグインのライセンスは、GPLv2 or later が推奨で、GPL互換の場合に、クリエイティブ・コモンズは含まれないことを覚えておきたい。GPL互換のライセンスのリストは、GPLと矛盾しないフリーソフトウェアライセンスを見てほしい。