WordPress 2.7 Beta 1リリースでお知らせしたとおり、管理画面のデザインが大幅に変更されるWordPress 2.7 Beta 1がダウンロードして利用できるようになった。あくまでもBeta版なので運用サイトに適用はできないので、WordPress Go Goではテストサイトに導入し、どこが変わったかを見てみることにした。まずはWordPressにログイン後最初に目にするダッシュボードのキャプチャ画像を見てほしい。WordPress本家サイトでも何度も紹介されているのですでにご存知かもしれないが、見てのとおりWordPress 2.5以来のデザインとは大きく異なっている。WordPress 2.5から採用された薄い水色を基調とした配色からWordPress 2.7からはグレーを基調としたデザインに変更されている。
ダッシュボード
何といっても管理メニューが上部から左部に移動した。また現在の状況はカラフルになり、投稿状況やコメント、スパムの状態が見やすくなっている。続いて目に留まるのがQuick Pressの存在だろう。このQuick Press、タイトル・投稿・タグのみという単純なものだ。実際にQuick Pressを投稿してみたが、まだうまく動作していない感じだった(投降後、うまく戻らない)。こういうところはBeta版ならではであろうか。
リファラー、WordPress Development Blog、Other WordPress Newsといった項目にマウスを合わせると編集リンクが表示される。なぜかよく分からないが、「読み込み中」のままでRSSフィードがうまく読み込まれない。一度、編集リンクをクリックして内容を保存すると、RSSフィードが正常に受信されるようになった。さすがBeta版である。
管理メニュー
これは管理メニューをFirefox 3とIE 7で表示させたものだ。Firefoxの方が丸みを帯びていてかっこいい。また、管理メニューを縮小してアイコンのみで表示するバーもFirefoxのみで表示されている。IE 7ではどうもうまく表示されないようだ。正式版に向けてこのブラウザの違いが吸収されていくのかどうか気になるところだ。管理メニューは右あたりにマウスを持っていくと矢印が出てきてそれをクリックすると画面遷移なしに詳細メニューにアクセスすることができるようになる。これまでのWordPressでは管理メニューの利便性向上のために、Lighter Menusというプラグインを使用してきたわけだが、WordPress 2.7以降は使用する必要がなくなりそうだ。
管理メニューに関してはメニュー内容が配置換えしているようだ。見ていただけるとおり、投稿、メディア、リンク、ページ、コメントという並びとなり、続くメニューにTools(ツール)という項目が増えている。このツールには、今まで管理に収められていたもの、例えばインポート、エクスポートなどが入っている。ここに更新という項目があり、WordPressの自動更新が行えるようになっている。試しにやってみるとどうやらnightly buildバージョンにアップグレードされたようだ。WordPress本体のアップグレードまでマウスクリックでできるようになると保守管理が非常にやりやすくなるのではないだろうか。
ダッシュボードには上図のようなScreen Options(スクリーンオプション)が用意されている。これをクリックすると、ダッシュボードに表示させたい項目をチェックボックスで選択することができる。ただこのダッシュボードのスクリーンオプションは、正常に動かなかった。何やらJavaScriptエラーが出ている関係でうまく機能してないようだった。しかしながら、ダッシュボードの表示項目に関してはDashboard Editorというプラグインに頼っていたのでもう必要なくなるだろう。
投稿画面
続いてこれが投稿画面である。二段落構成となっており、タイトル・投稿内容以外はすべてドラッグアンドドロップで自由に移動することができる。また、ダッシュボード同様、Screen Options(スクリーンオプション)が用意されており、必要ないと思われる項目はチェックボックスの選択を外すことで消すことができる。自分専用の投稿画面がカスタマイズできるというわけだ。
公開欄には、Stick to front pageというチェック項目が増えており、サイトのトップページを特定の投稿に固定表示することができる。
細かな点になるが、投稿やページの編集リスト画面に、Quick Editという項目が増えている。タイトルやスラッグ、カテゴリーやステータスなどの変更をすばやく行えるようになった。投稿の編集リスト画面のみだが、通常のリスト表示に加えて、抜粋も合わせて表示するExcerpt Viewも追加されている。
その他の変更点
キーボードショートカット
ユーザーのプロフィール欄にKeyboard Shortcutsという項目がある。すでにKeyboard ShortcutsのCodexも用意されているので見てみると、どうやらコメントの承認、スパム認定などにキーボードショートカットを使用できるようになるらしい。コメントが非常に多いサイトなどでは効力を発揮しそうだ。Akismetにコメントの管理はほとんど任せっきりだが、Akismetなしの環境で大いに活躍しそうな気がする。ちなみにコメント編集リストにもQuick Editが追加されていた。
設定のメディア
これまでその他の設定にあった画像サイズ関連の項目はメディアという設定の中に移された。追加の設定項目として、Default media links(デフォルトのメディアリンク)の形式(なし、投稿のURL、ファイル)を選べるようになったほか、Large Size、Default image size、Default image alignmentも追加されている。
ディスカッションの追加項目
ディスカッションのコメント設定にも若干オプションが追加されている。何日以上経った記事のコメントを自動的に閉じる(デフォルトは14日間)、何段階までのコメントのスレッド化(ネスト化)、一ページに表示するコメントの数、コメントの表示される順番(古い順か新しい順)などのオプションが増えていた。これらの項目についてはテーマ側での修正がもしかしたら必要かもしれない。
動かないプラグイン
WordPress 2.7で動かなくなるプラグインで目に見えてあったのはSimple Tagsくらいだった。どうもバージョンチェックを行っているらしく、未知のバージョンのWordPressに遭遇したのが原因ではないかと思うのだが、今後の対応に期待したい。拙作であるCustom Field Template pluginは、tinyMCE回りがうまく動かなくなっているようなので、正式版登場までには対応させたいところだ。
まとめ
WordPress 2.7 Beta 1を使用して気づいた点などをまとめてみたが、やはり今回の目玉は管理画面のデザイン変更だろう。ユーザーテストなどが行われたようだが、その甲斐あってか概観した感じだとなかなか使いやすそうな感じだ。その他、細かな点で機能追加されているのでより一層便利になりそうだ。WordPress 2.7の詳しい更新内容についてはVersion 2.7 « WordPress Codexでチェックするといいだろう。Beta 1ということでまだまだ動作が不安定なところもあるが、正式リリースが今から待ち遠しい限りである。